突然の歯の外傷について

ころんだり、ぶつかったり、色々な場面で歯に強い力が加わると、歯に様々なけが(外傷)を負ってしまうことがあります。
歯にけがをする場合、頭や顔などにもけがをしていることがあります。怪我をした状況(頭や顔を強くぶつけたなど)や、全身の状態(頭痛や吐き気、気分が悪 いなど)によっては歯科よりも他の大きな病院を受診することを優先してください。

☆歯科への受診
大きな病院への受診が必要なく、以下のような症状がある場合にはできるだけ早くかかりつけの歯科や最寄の歯科に連絡をして受診されることをおすすめします。

・歯が欠けた
・歯の位置が変わってしまった
・歯がぐらぐらする
・歯の神経がでている
・歯が完全に抜け落ちてしまった
・お口の中の怪我から出血がある
・歯が変色してきた

歯科へ連絡するときには、

・怪我をした人の、年齢
・怪我をした状況、いつ、どこで、どのように
・怪我のだいたいの状態、欠けた、抜けた

などを教えて下さい。

状況によってはご相談の上、口腔外科や小児歯科をご紹介することもあります。
また、歯科医師会では日曜、祭日、年末年始にも当番制で休日急患診療を川崎市中原歯科保健センターで行っています。

☆もう少し詳しく
(1)歯が欠けた、折れた(歯の破折)
歯の外傷で多くみられるのが歯の口の中に出ている部分が欠けたり折れてしまった状態(歯冠破折)です。大きく欠けたり折れた場合、歯の中の歯髄が露出してしまいます。
○破折片(欠けた部分)があればお持ちください、もしかしたら使えるかもしれま
せん。
(2)歯がぐらぐらしている(動揺、歯根の破折、脱臼)
歯ぐきにも傷ができていることが多く、歯が抜けかけたり(脱臼)、歯ぐきの中で根が折れている場合(歯根破折)があります。
○揺れている歯を動かさないようにしてすみやかに受診してください。

(3)歯が抜けてしまった(脱落)
歯が生えていた所から完全に抜けてしまった。
抜けた歯を元に戻せるか戻せないかは、抜けた歯の根の状態によって大きく変わります。
○抜けた歯を生理食塩水、牛乳、歯牙保存液などに浸し乾燥させずに持ってきてください。

(4)歯の位置が変わった、歯ぐきにめり込んだようになってしまった。(埋入)
埋入している周囲の骨が折れてしまっていることが少なくありません。
○患部の安静を保ち、すみやかに受診してください。

(5)以前、ぶつけた歯の色が変わってきた。(変色)
転倒などで歯を強く打った場合、歯の中の歯髄が死んでしまい数ヵ月後に歯の色が黒ずんでくることもあります。また、ぶつけた直後に歯がピンク色に見えることもあります。痛みがなくても感染したりすると歯ぐきが腫れたり痛みがでてくる可能性があります。
早めに受診することをおすすめします。