糖尿が進行すると歯周病も悪化する理由は

口が渇く
高血糖状態では、浸透圧の関係で尿がたくさん出ます。その結果、体内の水分が減少するとともに唾液の分泌量が減り、口渇（喉や口の渇き）という症状が現れます。
唾液には食べ物を消化する働きの他に、口の中を浄化したり組織を修復する働きもあり、歯周病を防ぐように作用しています。高血糖のために口の中が乾燥している時は、その作用が低下していて、歯周病の原因菌が繁殖しやすく、歯周病が進行しやすい環境になっていると考えられます。

唾液中の糖分濃度が上がる
口の中は唾液や歯肉からの滲出液で常に潤っています。これらの液体は、もともとは血液から作られるものです。ですから高血糖下では、唾液や滲出液の糖分の濃度が高くなります。
そのような状態は、歯周病の原因菌が繁殖に適していると考えられます

血管症による
出血するようになり、またプラーク(歯垢)に対する炎症反応においても、細菌を貪食する多形核白血球の機能低下と（抵抗力の低下）、コラゲナーゼ(細菌が出す毒素のひとつ、コラーゲン線維を溶解する)の機能亢進により、歯周病が悪化します。

組織の修復力が低下する
プラークが形成された歯周組織では、細菌によって引き起こされる組織の破壊と、それを何とか修復しようとする働きのせめぎあいが続いています。
高血糖（または低血糖）状態では、組織を修復する働きが低下することがわかっていて、糖尿病で歯周病の進行が早くなることには、このことが影響していると考えられます。

歯周病が悪化すると糖尿病が悪くなる理由は

重度の歯周病において、炎症性細胞が産生するサイトカインのうち、腫瘍壊死因子-α (TNF-α)などがインスリンの活性を干渉し、血糖値のコントロールが不十分となり、糖尿病合併症の有病率が高くなると考えられています。